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和爾氏の里を巡る!

 古代豪族・和爾氏の本拠地として栄えた天理市櫟本町。奈良と飛鳥を南北に結ぶ上街道(上ツ道)と、大和と河内を結ぶ北の横大路(龍田道)が交差し、古代から交易の中継拠点として賑わった。初代初期までの繁栄の名残~現在までの歴史の層を訪ねて歩いた。


 古代豪族・和爾氏の里を歩いた今日の時間は、静かな歴史の気配に包まれながら、自分の足音だけがゆっくりと流れていくような、穏やかな楽しさに満ちていた。櫟本町の神社や古墳は、観光地のように華やかではないけれど、長い年月をそのまま抱え込んだような落ち着きがあり、立ち止まるたびに心がすっと整っていく。

田畑の向こうに古墳の丸い稜線が見えたり、集落の角を曲がると小さな祠がひっそり佇んでいたり、歩くたびに景色が少しずつ変わっていく。その変化が心地よく、まるで土地の記憶に触れながら散歩しているような感覚だった。

和爾氏ゆかりの地という歴史の重みはあるのに、空気はどこまでものんびりしていて、古代と今が自然に溶け合っている。そんな場所を歩く時間は、ただ「楽しい」という言葉だけでは足りない、深い満足感があった。

 ただ、楽しさの流れに乗って「中西ピーナツで豆菓子を…」と期待していたところ、定休日の札が静かに立っていたのは少し残念だった。歩きの締めに甘いご褒美を思い描いていただけに、肩すかしを食らったような、でもどこか旅らしいオチでもあるような、そんな余韻が残った。